Cisco Catalyst 9300 StackWise システム アーキテクチャ ホワイトペーパー

提供: hkatou_Lab
2022年2月9日 (水) 08:11時点におけるHkatou (トーク | 投稿記録)による版
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概要

エンタープライズ キャンパスのネットワーク アクセスモデルは、一般的なユーザ接続から、インテリジェントで強力な高速性で構成されるように大幅に発展しています。エンタープライズ ネットワークにおいて、セキュリティ、クラウド、モビリティ、IoT はネットワークの重要なイノベーションに向けて発展してきました。Cisco Catalyst 9000 のソフトウェアとハードウェアは、これらと未来の要求に答えられるようにデザインされました。

ワイヤレス技術は市場で新しい大きな流れとなっており、飛躍的に多くの数のモバイル デバイスが高パフォーマンスを要求し、ネットワーク インフラストラクチャの様相を急速に変化させています。IT は伝統的なネットワーク モデルの再評価と、幅広く革新的なアーキテクチャに対応できるネットワーク設計が求められています。スタッキングはこれらの要求にペイ・アズ・ユー・グロー モデル (成長した分支払う) を使用する良い機会を提供します。

アクセス レイヤにおける有線とワイヤレスギガビットの革命として、ユーザとアプリケーションの要求は、最適なパフォーマンスを目的とした、より高速・低遅延のデータ スイッチングにあります。Cisco はそのようなイノベーションをサポートするためのシステム アーキテクチャを構築しました。Cisco Catalyst 9000 スイッチのファミリは、これらの要求に答えるべく開発されました。

Cisco Catalyst 9000 ファミリは、完全に改良されたモジュラー Cisco IOS ソフトウェア (Cisco IOS XE) と、Cisco ユニファイド アクセス データプレーン (UADP) と呼ばれる、柔軟な特定用途向け集積回路 (ASIC) 、x86 CPU で未来のネットワークのニーズに対処します。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチの Cisco StackWise-480 と StackWise-320 は、アクセスレイヤにおいてプラットフォーム、ソフトウェア、ネットワークの回復性を提供します。9300 シリーズは、市場で柔軟なアップリンク アーキテクチャと最も高密度なスタッキング帯域幅があります。このホワイトペーパーではその詳細と利点、StackWise-480 と StackWise-320 のアーキテクチャについて話します。

StackWise-480 / 320 入門

StackWise-480 / 320 アーキテクチャは、480G もしくは 320G のスタック帯域幅のどちらかを実現するために、リング トポロジーで 8 台までのスイッチをスタッキング可能とします。スタッキング アーキテクチャは、フォームファクター、スイッチング容量、ポート密度、冗長化を拡張子、単一のコントロール プレーンを提供します。このアーキテクチャは、弾力性、スケーラビリティ、中央管理を提供します。

最新の Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは StackWise-480 / 320 をサポートします。この技術は柔軟で、モジュラーで、革新的で、スタックのすべてのポートにハードウェア アクセラレーションと Cisco IOS XE の機能を届ける能力があります。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、データ、パワー・オーバー・イーサネット (PoE) 、Cisco ユニバーサル・パワー・オーバー・イーサネット (Cisco UPoE) 、マルチ ギガビットのモデル バリエーションがあります。Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、モジュラー アップリンク スイッチ モデルと、固定アップリンク モデルで構成されています。

モジュラー アップリンク モデルは StackWise-480 をサポートし、固定アップリンク スイッチ モデルは StackWise-320 をサポートします。それぞれのハードウェア設計は、異なるネットワーク容量とスイッチング パフォーマンスをサポートするために、コスト効率が良いものとなっています。

最大 8 台までのスイッチをリング トポロジーで物理的にスタックし、単一の統合された仮想スタックシステムを形成することが可能です。1 つの Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは StackWise-480 / 320 モードで構築した時、最大ポート密度が 448 ポートの分散データ プレーン、単一のコントロール プレーン、管理プレーンで、ノン ブロッキング スイッチング パフォーマンスを提供できるようにデザインされます。

スイッチング パフォーマンスはハードウェアで高速化されたもので、すべてのポートで PoE , PoE+ , Cisco UPOE , QoS , アクセス コントロール リスト (ACL) , フレキシブル NetFlow , Cisco 暗号化トラフィック分析 (ETA) , ストリーミング テレメートリーなど、さらに多くのサービスを統合ボーダレス ネットワークサービスとして提供します。

スタックのそれぞれのスイッチの要件に応じて、Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは単一のスタック リングで異なるモデル間で混在モードによる柔軟性を提供します。スタック内に異なるモデルのスイッチ (PoE , Cisco UPoE , データ , マルチ ギガビット) 、異なるネットワーク モジュールを混在することができます。

画像 1 はスタックを 4 台のスイッチで構成したときの StackWise-480 / 320 テクノロジーを表しています。

画像 2 は、スタックの単純化された物理と論理を表しています。

 
画像 1. Cisco Catalyst 9300 シリーズ StackWise-480 / 320 テクノロジー
 
画像 2. 簡略化された Cisco Catalyst 9300 シリーズの物理と論理ビュー

スタッキング コンポーネント

スタッキング ケーブルはスタッキング アーキテクチャに必須です。スタッキング ケーブルは Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチをサポートし、9300 モジュラー アップリンク モデルでも使用可能であり、後方互換性を備えています。ラックなどインフラの物理構成に依存し、異なる長さのスタッキング ケーブルが必要とされます。

それぞれの Cisco Catalyst スイッチはデータ スタッキングのために最大 2 つのスタック ケーブルをサポートします。表 1 と 2 のリストにある Catalyst 9300 モデルのためのスタッキング ケーブルを示します。

表 1. モジュラー アップリンク モデルのために注文可能な、スタック ケーブルの違い
プロダクト ID 概要
STACK-T1-50CM 50CM タイプ 1 スタッキング ケーブル
STACK-T1-1M 1M タイプ 1 スタッキング ケーブル
STACK-T1-3M 3M タイプ 1 スタッキング ケーブル


9300 固定アップリンク モデルのためには、StackWise-320 用のスタック キットが必須で、本体と別に注文できます。スタック キットは 2 つのスタック アダプタと 1 つのデータ スタック ケーブルから成り立っています。

表 1. 固定アップリンク モデルのために注文可能な、スタック ケーブルの違い
プロダクト ID 概要
C9300L-STACK-KIT C9300L モデル専用スタック キット

(9300L スタックキット x2 とデフォルトケーブル)

STACK-T3-50CM 50CM タイプ 3 スタッキング ケーブル
STACK-T3-1M 1M タイプ 3 スタッキング ケーブル
STACK-T3-3M 3M タイプ 3 スタッキング ケーブル

スタックポート

Cisco Catalyst 9300 スイッチ モジュラー アップリンク モデルは、StackWise-480 アーキテクチャをサポートするために、スイッチの背面パネルに 2 つのデータ スタック ポートを備えています。画像 3. に 9300 シリーズ スイッチのスタックポートの位置を示します。

 
画像 3. 9300 モジュラー アップリンク モデルのスタックケーブルとスタック ケーブル スロット


Cisco Catalyst 9300 スイッチの固定 アップリンク モデルは、2 つのスタック アダプタと 1 つのスタック ケーブルを含む、スタックキットを注文する必要があります。

 
画像 4. 9300 固定アップリンクモデルのスタック アダプタ

スタック コネクタ

画像 5 は Catalyst 9300 スイッチのモジュラー アップリンク モデルのスタック コネクタを表しています。すべてのスタック ポートは、Cisco Catalyst 9300 シリーズ モジュラー アップリンク モデルで同一です。スタック ケーブルのどちらの側も、スタック ポートのどちら側にも接続できます。ネジが完全に締められて、接続がセキュアであることを確実にしてください。

 
画像 5. 9300 モジュラー アップリンク モデルのスタック コネクタ

画像 6 は Catalyst 9300 スイッチの固定アップリンク モデルのスタック コネクタを表しています。すべてのスタック ポートは、Cisco Catalyst 9300 シリーズ 固定アップリンク モデルで同一です。スタック ケーブルのどちらの側も、スタック ポートのどちら側にも接続できます。ネジが完全に締められて、接続がセキュアであることを確実にしてください。

 
画像 6. 9300 固定アップリンク モデルのスタック コネクタ

スタッキング アーキテクチャ

リング アーキテクチャ

スタックがフル リングで動作している時、それぞれのスタック メンバースイッチによって、480 / 320 Gbps のスループットでハイスピード パフォーマンスを提供できます。この数倍のパフォーマンスの向上は、新しい内部 UADP ASIC と 2 つのスタックポートの組み合わせにより可能となります。

Cisco Catalyst 9300 シリーズのスタック リング ファブリックの高速バックプレーンは、背面のスタック ポートに接続された Cisco 独自ケーブルで、スタック メンバー スイッチをデイジー チェーン接続することで構築されます。

Cisco スタック ファブリックは 6 つの単方向データ転送リングによって成り立っています。

画像 7 と 8 に 9300 シリーズ StackWise-480 / 320 の内部フォワーディング アーキテクチャの説明図を示します。

 
画像 7. Cisco Catalyst 9300 StackWise-480 内部フォワーディング アーキテクチャ (モジュラー アップリンク モデル)
 
画像 8. Cisco Catalyst 9300 StackWise-320 内部フォワーディング アーキテクチャ (固定アップリンク モデル)


その合計スループットは、スタックのスイッチがサポートする 2 つの要因の組み合わせによります。

全体転送リング : それぞれのスタック コネクタは複数の独立したケーブルを束ねたもので、スタックリングを介してデータをデータを転送します。そのケーブリング構造はモジュラー / 固定アップリンク モデルそれぞれに、6 / 4 つの内部スタックリングを作り出します。

このハードウェア設計は、Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチそれぞれのスタック ポートのデータ転送パフォーマンスを大いに増大させます。

リングごとの最大スループット : それぞれのスタック リングは 40 Gbps までのデータ転送が可能です。9300 のモジュラーアップリンクモデルでは、6 つの内部スタックリングを持ち、スイッチごとに 240G (空間再利用プロトコルによるユニキャストで 480G ) の集約スループットを可能にします。

固定アップリンク モデルでは、4 つの内部スタックリングを持ち、スイッチごとに 160G (空間再利用プロトコルによるユニキャストで 320G ) の集約スループットを可能にします。

表 3 にスタックリング アーキテクチャの主な詳細を説明します。

表 3. Cisco StackWise アーキテクチャの詳細
Catalyst 9300

モジュラー アップリンク

モデル (StackWise-480)

Catalyst 9300

固定アップリンク

モデル (StackWise-320)

合計のリング数 6 4
リングごとのスループット 40 Gbps 40 Gbps
スタックごとのスループット

(フル リング)

240 Gbps 160 Gbps
スタックごとのスループット

(フル リング) + SRP

480 Gbps 320 Gbps

スタック ディスカバリ (発見)

すべてのスイッチに電源が入ってスタック インターゲースが Up になるとすぐに、スタック ディスカバリ プロトコル (SDP) がブロードキャストを使用して、スタックのトポロジを検出します。隣接機器の情報は、スタック内で他のすべてのスイッチと共有されます。

フル リングでは、すべてのメンバーが見つかった後に、ディスカバリを終了します。すべてのスイッチが見つかるとすぐに、スイッチの番号が決定されます。スイッチ番号が競合したあとに解決されると、その番号は将来使用するために、フラッシュの環境変数領域に保存されます。

ACTIVE 選出はディスカバリが終わった後に開始されます。

以下のコマンドがスタック ケーブルのステータス チェックに使用可能で、スタック ケーブル経由で検出された隣接機器を特定できます。

 

アクティブ選出

スタックの再起動処理か初期起動が完了する時、ACTIVE と STANDBY の役割のスイッチを 1つずつ決定するために、すべてのスイッチは選出処理を経る必要があります。すべてのメンバー スイッチは、120 秒以内に起動した場合、スタックで ACTIVE の選出に参加します。

アクティブ スイッチ選出では、以下の順番でパラメータが考慮されます。

  • 高優先度
  • 最小 MAC アドレス

スタック内で高可用性同期の高負荷を避けるために、ACTIVE スイッチの選出から 2 分後に、STANDBY が選出されます。デフォルトではすべてのスイッチに優先度 1 が設定されています。

したがって、優先度が明示的に定義されていない場合、ACTIVE スイッチの決定は MAC アドレス大小の比較に移ります。

この場合、最小 MAC アドレスのスイッチが ACTIVE スイッチの役割を取ることになるでしょう。他のスイッチはスタックにメンバー スイッチとして参加します。スタックのすべてのスイッチがメンバーとして検出されると、ACTIVE スイッチによって STANDBY スイッチが選出されます。

スタックで選出処理が完了した後に、任意のスイッチを追加した場合、"はぐれたもの" として扱い、ACTIVE スタック スイッチ選出には関わりません。

システムの役割を明示的に決定するために、スタックのすべてのスイッチでスイッチ優先度を調整することを推奨します。高優先度のスイッチは ACTIVE スイッチになります。この設定は 1 ステップで、通常最初のスイッチの起動時に行われます。

スイッチ優先度は、スタック リング内でそれぞれのスイッチが ROMMON 設定にセットします。ROMMON から読み込まれるスイッチ優先度の設定は、NVRAM に保存されたスタートアップ コンフィギュレーションから読み込むのではなく、起動中に読み込まれます。

結果として、スイッチ優先度の設定はスタートアップやランニング コンフィギュレーションから確認することができず、異なるコンフィギュレーションの構成要素としてプログラムされます。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチの優先度は、特権モードから変更が可能です。有効化には再起動が必要とされます。以下のコマンドは、スイッチ優先度とスイッチ番号の変更をどうやって設定するかを表したものです。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ
9300>enable

9300#switch <number> priority 15

!スイッチがアクティブ ロールに選出されるように、優先度 15 をセット

9300#switch <number> priority 14

!スイッチがスタンバイ ロールに選出されるように、優先度 14 をセット

9300#switch <number> priority 13

!スイッチが次のスタンバイ ロールに選出されるように、優先度 13 をセット

9300#switch <number> priority 12

!スイッチが次のスタンバイ ロールに選出されるように、優先度 12 をセット

9300>enable

9300#switch <number> renumber <number>

!スタックリングのスイッチ番号へ静的に番号をつけ直し

There are two ways to influence a particular switch in the stack to take over the role of an ACTIVE switch:

●     Configure the switch with the highest priority [highest priority is 15] to assume the role of the ACTIVE switch.

●     If you prefer a particular switch to be the ACTIVE switch in the stack, power on that switch first to take on the role of the ACTIVE switch.

スタックで特定のスイッチへ影響を与えて ACTIVE スイッチの役割を持つためには、2 つの方法があります。

  • スイッチを高優先度に (最大 15) 設定し、ACTIVE スイッチの役割を引き受けます
  • もしスタックで特定のスイッチを ACTIVE にしたいときには、ACTIVE の役割になるように最初に電源を入れます

StackWise-480 / 320 で構築する時、スイッチにはいくつかの条件があります。

  • Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチで、1 から 8 の正しいスイッチ番号を持たせること そのメンバースイッチのポート番号は Gi1/0/1 , Te1/1/1 , Fo1/1/1 のようにスイッチ番号から始まり、それぞれギガビット イーサネット (GE) , 10GE , 40GE といったポート速度に基づきます
    • 例 : スイッチ 3 は Gi3/0/1 , Te3/1/1 , Fo3/1/1 を持ちます
  • いくつかの条件は StackWise-480 / 320 が構築されたときに適用されます
  • スイッチ番号は


●     Switch numbers are persistent, meaning that each switch keeps the same switch number after it reboots as a stack member, even if it is no longer part of the stack.

●     The stack ACTIVE switch resolves any switch number conflicts and renumbers the switch.

●     Switch numbering does not reflect the physical location of the switch. However, the numbering can be changed to match the physical location using the command “switch current-stack-member-number renumber new-stack-member-number” from the enable mode.

Example: “switch 1 renumber 2” renames switch 1 to 2 and changes the port numbers from G1/1/1 and Te1/1/1 to G2/1/1 and Te2/1/1. A reload is required for this to take effect.