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[[Category:アーキテクチャ]]
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このドキュメントは、hkatou Lab が [https://www.cisco.com/c/en/us/products/collateral/switches/catalyst-9000/white-paper-c11-742388.html#AppendixBUADPASICscale Cisco Catalyst 9000 Switching Platforms: QoS and Queuing White Paper] を非公式に翻訳したものです。
 
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このドキュメントは、hkatou Lab が Cisco Catalyst 9500 Architecture White Paper を非公式に翻訳したものです。
      
原文・画像の著作権は Cisco Systems にあります。
 
原文・画像の著作権は Cisco Systems にあります。
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==== 輻輳のタイプ ====
 
==== 輻輳のタイプ ====
[[ファイル:C90-QoS-01.png|なし|フレーム|画像 1. 輻輳のタイプ]]2 つのタイプの輻輳は画像 1. に示しています :
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[[ファイル:C90-QoS-01.png|なし|画像 1. 輻輳のタイプ|代替文=|フレーム]]2 つのタイプの輻輳は画像 1. に示しています :
    
* '''複数ポートから単一ポートへ :''' 複数の送信元ポートから単一の宛先ポートへ同時に送信するとき、複数の送信元から合計されたトラフィックが届いてしまい、宛先ポートが服装します
 
* '''複数ポートから単一ポートへ :''' 複数の送信元ポートから単一の宛先ポートへ同時に送信するとき、複数の送信元から合計されたトラフィックが届いてしまい、宛先ポートが服装します
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=== Cisco Catalyst 9000 ファミリにおける ASIC の QoS の統合 ===
 
=== Cisco Catalyst 9000 ファミリにおける ASIC の QoS の統合 ===
 
Cisco Catalyst 9000 スイッチング プラットフォームは、エンタープライズ LAN アクセス、ディストリビューション、コアスイッチにおける次世代の Cisco ファミリです。Cisco ユニファイド・アクセス・データ・プレーン (UADP) アプリケーション・スペシフィック・インテグレーテッド・サーキット (ASIC) はこのプラットフォームはより高速なパフォーマンス、多くの新機能と動作を提供します。
 
Cisco Catalyst 9000 スイッチング プラットフォームは、エンタープライズ LAN アクセス、ディストリビューション、コアスイッチにおける次世代の Cisco ファミリです。Cisco ユニファイド・アクセス・データ・プレーン (UADP) アプリケーション・スペシフィック・インテグレーテッド・サーキット (ASIC) はこのプラットフォームはより高速なパフォーマンス、多くの新機能と動作を提供します。
[[ファイル:C90-QoS-02.png|なし|フレーム|画像 2. Cisco Catalyst 9000 ファミリ スイッチ]]
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[[ファイル:C90-QoS-02.png|なし|画像 2. Cisco Catalyst 9000 ファミリ スイッチ|代替文=|フレーム]]
    
Cisco Catalyst 9000 スイッチング プラットフォームは、一般的で強力なハードウェアとソフトウェア基盤で成り立っています。その性質と一貫性は、ネットワークエンジニアと管理者にシンプルさと運用のしやすさをもたらし、トータルで運用コストの削減とよりよい体験を創出します。
 
Cisco Catalyst 9000 スイッチング プラットフォームは、一般的で強力なハードウェアとソフトウェア基盤で成り立っています。その性質と一貫性は、ネットワークエンジニアと管理者にシンプルさと運用のしやすさをもたらし、トータルで運用コストの削減とよりよい体験を創出します。
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例 2. のポリシーの結果として、すべてのキューがトラフィックの送信を有効化するためのバッファを持ちます。
 
例 2. のポリシーの結果として、すべてのキューがトラフィックの送信を有効化するためのバッファを持ちます。
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もう一つ重要なコマンドとして、バッファ使用率がポート キューごとにどのように変化するか、リアルタイムで示します。このコマンドは、ASIC から値を読み取ります。
 
もう一つ重要なコマンドとして、バッファ使用率がポート キューごとにどのように変化するか、リアルタイムで示します。このコマンドは、ASIC から値を読み取ります。
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   queue-limit dscp values af11 percent 100
 
   queue-limit dscp values af11 percent 100
 
</syntaxhighlight>ASIC で設定されたしきい値を見るためには、以下のコマンドを使用します。
 
</syntaxhighlight>ASIC で設定されたしきい値を見るためには、以下のコマンドを使用します。
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'''ステップ 2.''' ラベルの値がキューかしきい値に該当させるために、次のコマンドを使用します。
 
'''ステップ 2.''' ラベルの値がキューかしきい値に該当させるために、次のコマンドを使用します。
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* ウェイテッド・ランダム・アーリー・ディスカード (WRED)
 
* ウェイテッド・ランダム・アーリー・ディスカード (WRED)
 
<blockquote>WRED はキューがいっぱいになるために、帯域を超過したポートのキューで、ランダムにフレームを廃棄するためのアルゴリズムです。WRED はランダム・アーリー・ディスカード (RED) アルゴリズムがベースになっています。</blockquote><blockquote>RED と WRED を見る前に、TCP フロー管理を簡単に振り返ってみましょう。フロー管理は、TCP 送信側がネットワークを埋め尽くさないようにします。"TCP スロー スタート" アルゴリズム (RFC2001 で定義) はこれに対処するための解決策の一部です。それはフローを開始する時に指示し、1 つのパケットが送信されると、次に確認応答 (ACK) を待ちます。ACK が受信されると、TCP エンドポイントは 2 つのパケットを送信し、さらにデータを送る前に、次の ACK を待ちます。パケットの数を段々と増加させて送信します。これはフローが送信レベル (パケットを x 個送信) に達するまで継続し、ネットワークに混雑を伴う負荷を発生させないように、管理します。混雑が発生した場合、スロースタート アルゴリズムは、ウィンドウ サイズ (ACK を待つ前に送信したパケットの数) を抑制します。これによりネットワークがそれらをドロップせずに処理できる数に、送信が正規化されます。
 
<blockquote>WRED はキューがいっぱいになるために、帯域を超過したポートのキューで、ランダムにフレームを廃棄するためのアルゴリズムです。WRED はランダム・アーリー・ディスカード (RED) アルゴリズムがベースになっています。</blockquote><blockquote>RED と WRED を見る前に、TCP フロー管理を簡単に振り返ってみましょう。フロー管理は、TCP 送信側がネットワークを埋め尽くさないようにします。"TCP スロー スタート" アルゴリズム (RFC2001 で定義) はこれに対処するための解決策の一部です。それはフローを開始する時に指示し、1 つのパケットが送信されると、次に確認応答 (ACK) を待ちます。ACK が受信されると、TCP エンドポイントは 2 つのパケットを送信し、さらにデータを送る前に、次の ACK を待ちます。パケットの数を段々と増加させて送信します。これはフローが送信レベル (パケットを x 個送信) に達するまで継続し、ネットワークに混雑を伴う負荷を発生させないように、管理します。混雑が発生した場合、スロースタート アルゴリズムは、ウィンドウ サイズ (ACK を待つ前に送信したパケットの数) を抑制します。これによりネットワークがそれらをドロップせずに処理できる数に、送信が正規化されます。
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以下のようにコマンドでマッピングを確認でき、フロント パネル ポートをインスタンスにマッピングできます
 
以下のようにコマンドでマッピングを確認でき、フロント パネル ポートをインスタンスにマッピングできます
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[[ファイル:C90-QoS-0d.png|フレームなし]]
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* "qos queue-softmax-multiplier <100-1200>" コマンドを使用します  このコマンドは、DTS セクションで説明したものです  マイクロ バーストを吸収するために、PBC の能力を増加させるには、1200 に近い値を使用します
 
* "qos queue-softmax-multiplier <100-1200>" コマンドを使用します  このコマンドは、DTS セクションで説明したものです  マイクロ バーストを吸収するために、PBC の能力を増加させるには、1200 に近い値を使用します
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===== 2 ステージ リマーキング =====
 
===== 2 ステージ リマーキング =====
 
以下は 2 ステージ リマーキングを設定するための MQC ポリシーの例です :
 
以下は 2 ステージ リマーキングを設定するための MQC ポリシーの例です :
 
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[[ファイル:C90-QoS-0e.png|フレームなし]]
   
まとめ : 出力クラシフィケーション、ポリシング、マーキングは、QoS に関する UADP ASIC の機能を更に拡張します。それらは複数の送信元ポートから、パケットを取り出すためのオプションを提供し、1 つの出力 MQC ポリシーのみを適用する選択肢を提供します。さらに 2 ステージ リマーキング or ポリシングのオプションも提供します。
 
まとめ : 出力クラシフィケーション、ポリシング、マーキングは、QoS に関する UADP ASIC の機能を更に拡張します。それらは複数の送信元ポートから、パケットを取り出すためのオプションを提供し、1 つの出力 MQC ポリシーのみを適用する選択肢を提供します。さらに 2 ステージ リマーキング or ポリシングのオプションも提供します。
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ジェネリック・ルーティング・エンキャプスレーション (GRE) トンネル、バーチャル・エクステンシブル・LAN (VXLAN)、コントロール・アンド・プロビジョニング・オブ・ワイヤレス・アクセス・ポイント (CAPWAP) は、オリジナルのパケットを外部ヘッダで包むことで、オリジナル パケットを書き換えることなく、複数のホップを横断する際、より効率的にパケットを運ぶことを可能する、オーバーレイ技術です。
 
ジェネリック・ルーティング・エンキャプスレーション (GRE) トンネル、バーチャル・エクステンシブル・LAN (VXLAN)、コントロール・アンド・プロビジョニング・オブ・ワイヤレス・アクセス・ポイント (CAPWAP) は、オリジナルのパケットを外部ヘッダで包むことで、オリジナル パケットを書き換えることなく、複数のホップを横断する際、より効率的にパケットを運ぶことを可能する、オーバーレイ技術です。
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画像 36. GRE パケットが含む、オリジナルのレイヤ 3 パケット
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===== GRE がカプセル化したパケットが内部に持つ、オリジナルのレイヤ 3 パケット : =====
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[[ファイル:C90-QoS-36.png|なし|フレーム|画像 36. GRE でカプセル化されたパケット]]
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カプセル化を画像 36. に示します。パケットは新しい IP ヘッダと GRE ヘッダを後ろに追加します。IP ヘッダの ToS バイト値は、内部 IP ヘッダから外部 IP ヘッダへコピーされます。
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カプセル化を画像 36. に示します。パケットは新しい IP ヘッダと GRE ヘッダを後ろに追加します。IP ヘッダの ToS バイト値は、内部 IP ヘッダから外部 IP ヘッダへコピーされます。
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===== VXLAN がカプセル化したパケットが部に持つ、オリジナルのレイヤ 2 フレームとレイヤ 3 パケット : =====
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[[ファイル:C90-QoS-37.png|なし|フレーム|画像 37. VXLAN にカプセル化されたパケット]]
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画像 37. VXLAN にカプセル化されたパケット
      
カプセル化を画像 37. に示します。パケットは新しい IP ヘッダと VXLAN ヘッダを後ろに追加します。IP ヘッダの ToS バイト値は、内部 IP ヘッダから外部 IP ヘッダへコピーされます。
 
カプセル化を画像 37. に示します。パケットは新しい IP ヘッダと VXLAN ヘッダを後ろに追加します。IP ヘッダの ToS バイト値は、内部 IP ヘッダから外部 IP ヘッダへコピーされます。
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画像 38. CAPWAP カプセル化パケット
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===== CAPWAP が内部に持つ、オリジナルのレイヤ 2 フレームとレイヤ 3 パケット : =====
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[[ファイル:C90-QoS-38.png|なし|フレーム|画像 38. CAPWAP カプセル化パケット]]
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カプセル化を画像 38. に示します。パケットは新しい IP ヘッダと CAPWAP ヘッダを後ろに追加します。IP ヘッダの ToS バイト値は、内部 IP ヘッダから外部 IP ヘッダへコピーされます。
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カプセル化を画像 38. に示します。パケットは新しい IP ヘッダと CAPWAP ヘッダを後ろに追加します。IP ヘッダの ToS バイト値は、内部 IP ヘッダから外部 IP ヘッダへコピーされます。
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内部カプセル化パケットは書き換えられず、クラシフィケーションは実行されません。
 
内部カプセル化パケットは書き換えられず、クラシフィケーションは実行されません。
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[[ファイル:C90-QoS-39.png|なし|フレーム|画像 39. GRE , VXLAN , CAPWAP カプセル化の処理]]
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画像 39. GRE , VXLAN , CAPWAP カプセル化の処理
      
==== ASIC からのカプセル化解除パス ====
 
==== ASIC からのカプセル化解除パス ====
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QoS ポリシーが適用されていない場合は、:
 
QoS ポリシーが適用されていない場合は、:
 
* 出力キューイングはカプセル化が解除されたヘッダをベースにして実施されます
 
* 出力キューイングはカプセル化が解除されたヘッダをベースにして実施されます
画像 40. GRE , VXLAN , CAPWAP カプセル化解除の QoS 処理ぞz
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[[ファイル:C90-QoS-40.png|なし|フレーム|画像 40. GRE , VXLAN , CAPWAP カプセル化解除の QoS 処理]]
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=== MPLS QoS ===
 
=== MPLS QoS ===
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MPLS パケットはラベルを持っており、高速転送とセグメンテーションに使用されます。UADP  ASIC は、ヘッダから EXP マーカーを抜き出して、クラシフィケーション (分類) に使用します。MPLS 機能セットは、以下のモードがサポートされています。 :
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パイプ モード : DiffServ トンネリング パイプ モードは、2 つのレイヤで QoS を使用します :
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* データの基盤となる QoS は、コアを通過する際に変更されません
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* コアごとの QoS は、基盤となる IP パケットとは別のものです  このコアごとの QoS は、パー・ホップ・ビエイビア (PHB) と呼ばれ、エンドユーザからは透過的に見えます。
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パケットが MPLS コアの協会に届くと、出力側プロバイダー・エッジ (PE) スイッチである PE2 は、MPLS PHB ベースでアウト バウンド キューイングのため、直近で削除されたラベルの EXP ビットから、取り出した IP パケットをクラシファイ (分類) します。
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[[ファイル:C90-QoS-41.png|なし|フレーム|画像 41. MPLS パイプ モードの QoS 処理]]
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ショート パイプ モードはサポートされません。
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* ユニフォーム モード (デフォルト) : DiffServ トンネリングのユニフォーム モードは、QoS レイヤが 1 つだけで、末端の端末から末端の端末へ届かせます
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入力側 PE スイッチ (PE1) は、入力された IP パケットから、付与された MPLS ラベルの EXP ビットにコピーします。EXP ビットはコアを旅して、それらは中間の P スイッチによって書き換えられなかったり、書き換えられたりします。画像 42. に例を示します。この例では、P スイッチである P1 が、トップにあるラベルの EXP ビットを書き換えます。出力 P スイッチである P2 は、PHP (ペナルティ メイト・ホップ・ポップ=最後から 2 番目のラベルの取り外し) の後に、新たなラベルの EXP ビットへコピーします。最終的に、出力 PE スイッチである PE2 で、EXP ビットを取り出した IP パケットの DSCP ビットへコピーします。
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[[ファイル:C90-QoS-42.png|なし|フレーム|画像 42. MPLS ユニフォーム モードの QoS 処理]]
    
=== オート QoS ===
 
=== オート QoS ===
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Cisco オート QoS は、音声と映像トラフィックについて、自動化した QoS 機能によって、QoS の構築を劇的に簡素化し、テンプレートを使うことで、一貫性のあるやり方と進化した機能と Cisco IOS XE ソフトウェアの知性を利用できます。
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オート QoS テンプレートは RFC4594 の推奨による、マーキングと medianet アプリケーション クラスのプロビジョニングに従っています。
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[[ファイル:C90-QoS-43.png|なし|フレーム|画像 43. マーカー割り当てごとの、オート QoS トラフィック]]
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以下のテンプレートは、オート QoS テンプレートに統合済みで、12 クラスが常にテンプレートによって必要とされたり、使用されたりするわけではありません。
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* auto qos trust {cos | dscp} : このオプションは、CoS や DSCP のどちらかを、ポートで固定的に信頼するよう設定します  もし CoS も DSCP も明示的に設定していねければ、auto qos trust コマンドは、レイヤ 2 スイッチポートでは CoS 信頼、レイヤ 3 ルーテッド インターフェースでは DSCP 信頼に設定します  このコマンドはCisco Catalyst 9000 ファミリ スイッチでオプションとなり、デフォルトの動作は、レイヤ 2 と レイヤ 3 マーカー (CoS と DSCP) を信頼します
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* auto qos video [cts | ip-camera] : このオプションは、cts キーワードで Cisco テレプレゼンス システムを、ip-camera キーワードで Cisco IP ビデオ サーベイランス カメラの自動設定を提供します 
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* auto qos classify {police} : このオプションは包括的なテンプレートを提供し、クラシファイ (分類) と 6 つのクラスの medianet トラフィックのマーク アップが可能です  オプションとして police キーワードを使用することで、データプレーンとごみクラスの QoS ポリシー要素のポリシングを準備します
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* auto qos voip [cisco-phone | cisco-softphone | trust] : このオプションは、旧世代の VoIP IP テレフォニーをサポートするだけではなく、これらのモデルを拡張し、リッチ メディア アプリケーションについて追加クラスの提供を含んでいます  データプレーンとごみクラスの QoS ポリシー要素のポリシングを準備し、これらのアプリケーションの保護とセキュリティを実現します
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画像 44. に、インターフェース信頼モデルの推奨を示します。
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[[ファイル:C90-QoS-44.png|なし|フレーム|画像 44. 推奨のオート QoS 信頼モデル]]
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条件付き信頼モデルは、エンド ポイントの機器からマーキングを動的に受け入れるモデルです。シスコ・ディスカバリー・プロトコル (CDP) ネゴシエーションのように特定の条件に合致すると、画像 44. の緑丸に示すように、インターフェースを信頼に設定します。
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このモデルは以下を接続するスイッチポートに適しています。:
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* Cisco IP フォン : trust device cisco-phone
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* Cisco テレプレゼンス システム : trust device cts
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* Cisco IP ビデオ サーベイランス カメラ : trust device ip-camera
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* Cisco デジタル メディア プレーヤー : trust device media-player
    
==== オート QoS キューイング モデル ====
 
==== オート QoS キューイング モデル ====
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それぞれの オート QoS オプションは、自動的にすべてのスイッチ ポートで出力キューイング モデルを準備し、適用されます。
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オート QoS のさらなる情報は、Cisco Catalyst 9000 QoS コンフィギュレーションガイドを参照してください。
    
=== StackWise Virtual システム ===
 
=== StackWise Virtual システム ===
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StackWise Virtual システム (SYS) は、2 つの物理スイッチを 1 つの論理スイッチ システムとして結合させる機能です。SYS の 1 つのコンポーネントとして、StackWise Virtual Link (SVL) があります。このセクションでは QoS と SVL のキューイングの挙動について説明します。
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* SVL QoS とキューイング メカニズムは、固定設定されています
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* QoS と SVL のキューイング ポリシーは、変更することができません
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画像 45. に、キューごとの SVL のマーカー割り当てを示します。
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[[ファイル:C90-QoS-45.png|なし|フレーム|画像 45. SVL ポートにおける、キューごとのトラフィック]]
    
=== CPU へ向かうパケットと CPU から出るパケット ===
 
=== CPU へ向かうパケットと CPU から出るパケット ===
 +
The Cisco Catalyst 9000 switch family has a special set of queues that manage the access to the CPU. This set of queues can ensure that priority packets are received first.
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Cisco Catalyst 9000 スイッチ ファミリは、特別なセットのキューを持っており、CPU のアクセスを管理します。このキューのセットは、優先パケットが最初に受信できるようになります。
    
==== CPU へ向かうパケット ====
 
==== CPU へ向かうパケット ====
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CPU へ向かうパケットは、通常の入力データ転送パスを通ります。パケット タイプによっては、 CPU キューの一つに入ります。すべての CPU キューは、CPU を保護するために事前定義されたポリサーを持っています。これは一般的にコントロール・プレーン・ポリシング (CoPP) と呼ばれます。
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[[ファイル:C90-QoS-46.png|なし|フレーム|画像 46. CPU に向かうパケットの処理]]
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CPU にパケットが届く前に、4 つのステップがあります。 :
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# もしトラフィックを CPU に届けたくない場合、トラフィックを拒否するために入力 ACL が使用可能です  このステップはオプションです  ポート、VLAN , ルーテッド ACL のように、異なる ACL タイプがサポートされています
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# パケットは CoPP ポリシーをベースに分類され、CPU キューに入ります  このステップで最初に優先トラフィックを届けます
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# 特定の 1 つめのレベルのポリシング レートごとに、トラフィックは削減されます  いくつかのポリサーは共有されます
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# 最後に高レベルと低レベルのポリサーが追加されます  2 レベルめの集約された 1 つめのクラスは、レートを追加で削減できます  2 レベル目のポリサーは、Cisco IOS XE 16.9 以降で追加されました
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CoPP は以下の制限があります。:
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* CoPP は入力方向のみサポートされます system-cpp-policy ポリシー マップは、入力方向のコントロール プレーン インターフェースのみで有効です
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* system-cpp-policy マップと、システムで定義された17 個のクラスは、変更や削除ができません
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* police アクションは、system-cpp-policy ポリシー マップの下で有効です さらに、police レートはパケット・パー・セカンド (pps) でのみ設定可能です
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* CPU キューの有効化 or 無効化 :
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** system-cpp-policy ポリシー マップ内で対応する、クラス マップの下で policer アクションを pps で設定することで、CPU キューを有効にできます
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** system-cpp-policy ポリシー マップ内で対応する、クラス マップの下で policer アクション削除することで、CPU キューを無効にできます
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* cpp system-default コマンドをグローバル コンフィギュレーション モードで入力することで、これらの値をデフォルト値に戻すことが可能です
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* CoPP は 2 レベルの階層型を使用します (Cisco IOS XR 16.9 以降で導入されました)
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* カスタム CoPP プロファイル or カスタム クラスは、サポートされません
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[[ファイル:C90-QoS-47.png|なし|フレーム|画像 47. CoPP ポリシーの出力を確認]]
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==== CPU から出るパケット ====
 
==== CPU から出るパケット ====
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パケットは CPU によって生成され、ダイレクトに出力キューへ送信されます。
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ポートにキューイング ポリシーを定義したとき、コントロール パケットは以下の順番にキューへマッピングされます。:
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# 最高レベルの優先キューは、常に最初に選ばれます
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# 優先キューが無いとき、キュー 0 が選択されます
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2 つめのケースではキュー 0 が選択され、CPU で生成されたトラフィックに最適な QoS 処理を適用するために、このキュ0-へ最大の帯域幅を割り当てる必要があります。
 +
 +
次に、優先度が組み込まれていないパケットタイプである、LACP PDU について説明します。
 +
 +
サンプル ポリシー : <syntaxhighlight lang="c">
 +
First case:
 +
policy-map <name>
 +
class <name>
 +
  priority level 1
 +
  => LACP パケットはこのキューに入ります
 +
 +
Second case:
 +
policy-map <name>
 +
class <name associated with queue 0>
 +
=> LACP パケットは優先キューが定義されていないため、キュー 0 に入ります
 +
</syntaxhighlight>
 +
 +
 +
最後に、パケットが CPU から生成されると、レイヤ 2 ポートやルーテッド インターフェースに適用された ACL 分類で、出力 QoS ポリシーが動作し、ポリシーはこれらのパケットをリマークすることが可能です。しかし CPU から生成されたパケットで DSCP , CoS , トラフィック クラスが使用されると、QoS ポリシーはこれらのパケットをリマークしません。
    
=== 結論 ===
 
=== 結論 ===
 +
Cisco Catalyst 9000 ファミリ スイッチは、QoS とキューイング用に、柔軟にハードウェア リソースを変更・調整するための、技術を提供します。これらの技術は、時間の経過による変化に適応するための、様々なオプションを提供します。
    
=== 参照 ===
 
=== 参照 ===
 +
Cisco Catalyst 9000 ファミリの概要 :
 +
 +
https://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/catalyst-9000.html
 +
 +
 +
モデルごと :
 +
 +
https://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/catalyst-9200-series-switches/index.html
 +
 +
https://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/catalyst-9300-series-switches/index.html
 +
 +
https://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/catalyst-9400-series-switches/index.html
 +
 +
https://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/catalyst-9500-series-switches/index.html
 +
 +
https://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/catalyst-9600-series-switches/index.html
 +
 +
=== 付録 A : TCAM のクラシフィケーション (分類) ===
 +
このセクションでは、QoS ポリシーに対応する ASIC 内部のハードウェア プログラミングを記載します。
 +
 +
==== TCAM テーブルとは何ですか ? VCUs とはなにですか ? ====
 +
 +
===== TCAM (ターナリー・コンテント・アドレッサブル・メモリ) =====
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1 回のクロック サイクルでコンテンツ全体を検索できる、特別なタイプの高速メモリです。"ターナリー (3 値)" という用語は、0 , 1 , X と異なる入力を使用してデータを保存したり呼び出したりする、メモリの機能を挿しています。
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 +
===== VCUs (バリュー・コンペアリング・ユニット) =====
 +
TCAM でレイヤ 4 処理をスケールするために使用される、特別なレジスタです。それらは TCAM からリンクされ、複数の TCAM エントリ間で共有できます。レイヤ 4 処理は VCU レジスタを使用し、より少ない (Less Than = LT) , より多い (Greater Than = GT) , 範囲指定 , イコールでない (NOR) , イコール (EQ) は、VCU を使用するレイヤ 4 処理とはみなされません。
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その分類処理は、TCAM のテーブルを使用します。TCAM テーブルは MQC ポリシーをベースに事前プログラムされます。テーブルは必要とされるすべての分類に一致する、エントリが含まれています。
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[[ファイル:C90-QoS-48.png|なし|フレーム|画像 48. TCAM ルックアップ (ステップ 1)]]
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スイッチはパケット ヘッダやマーカーを使用してハッシュキーを生成することで、ポリサーやリマークされた値を得ることができ、エントリと照合できます。
 +
[[ファイル:C90-QoS-49.png|なし|画像 49. TCAM ルックアップ (ステップ 2)|代替文=|フレーム]]
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 +
 +
結果が得られると、スイッチは必要とされるアクションを取ります。:
 +
 +
* ポリサー
 +
* マーキング
 +
* マークダウン
 +
* ミューテーション
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QoS ACL は異なる数の VCUs を使用し、レイヤ 4 処理によって、:
 +
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* イコールでない (NE=Not Equal) は、1 つの VCU を消費
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* 範囲指定は、2 つの VCUs を消費し、小さい値と高い値を持ちます
 +
* より大きい (GT) とより小さい (LT) は、1 つの VCU を消費します
 +
* 送信元と宛先レイヤ 4 処理は、別々の VCUs を消費します
 +
[[ファイル:C90-QoS-50.png|なし|フレーム|画像 50. VCU 使用率]]
 +
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VCU エントリは、ACL が複数の TCAM エントリ (アクセス リスト エントリ = ACE) で同じ範囲のポートを使用した場合、削減されます。
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=== 付録 B : UADP ASIC スケール ===
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表 4. に UADP ASICs スケールの情報をリストアップします。
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{| class="wikitable"
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!クオリティ・オブ・サービス
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UADP スケール
 +
!UADP
 +
Mini
 +
!UADP
 +
2.0
 +
!UADP
 +
2.0 XL
 +
!UADP 3.0
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|-
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|Catalyst スイッチで使用されている
 +
|Cat9200
 +
|Cat
 +
9300
 +
|Cat9300 ,
 +
9400 , 9500
 +
|Cat9500 High ,
 +
9600
 +
|-
 +
|ポリシーごとの入力クラスマップ
 +
|256
 +
|256
 +
|256
 +
|256
 +
|-
 +
|ポリシーごとの出力クラスマップ
 +
|256
 +
|256
 +
|256
 +
|256
 +
|-
 +
|ポリシーごとの入力ポリサー
 +
|63
 +
|63
 +
|63
 +
|63
 +
|-
 +
|ポリシーごとの出力ポリサー
 +
|63
 +
|63
 +
|63
 +
|63
 +
|-
 +
|スイッチごとの全体ポリシーマップ
 +
|1599
 +
|1599
 +
|1599
 +
|1599
 +
|-
 +
|コアごとの集約ポリサー 1R2C
 +
|1024
 +
|4096
 +
|4096
 +
|4096
 +
|-
 +
|コアごとの集約ポリサー 2R3C
 +
|512
 +
|2048
 +
|2048
 +
|2048
 +
|-
 +
|入力テーブルマップ
 +
|16
 +
|16
 +
|16
 +
|16
 +
|-
 +
|出力テーブルマップ
 +
|16
 +
|16
 +
|16
 +
|16
 +
|-
 +
|マークダウン テーブル (超過アクション)
 +
|8
 +
|8
 +
|8
 +
|8
 +
|-
 +
|マークダウン テーブル (違反アクション)
 +
|8
 +
|8
 +
|8
 +
|8
 +
|-
 +
|ポートごとの出力キュー
 +
|8
 +
|8
 +
|8
 +
|8
 +
|-
 +
|コアごとのバッファ (MB)
 +
|6
 +
|8
 +
|16
 +
|18
 +
|-
 +
|ASIC ごとのバッファ (MB)
 +
|6
 +
|16
 +
|32
 +
|36
 +
|-
 +
|コアごとの QoS ACLs
 +
|1000
 +
|5000
 +
|18000
 +
|16000
 +
|-
 +
|方向ごとの QoS ACLs
 +
|1000
 +
|5000
 +
|18000
 +
|8000
 +
|-
 +
|WRED (キューまで)
 +
|NA
 +
|4
 +
|4
 +
|8
 +
|-
 +
|入力 VCU
 +
|192
 +
|192
 +
|192
 +
|192
 +
|-
 +
|出力 VCU
 +
|96
 +
|96
 +
|96
 +
|96
 +
|}
 +
 +
==== QoS TCAM の消費ルール : ====
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 +
* UADP 2.0 , 2.0 XL , UADP Mini
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** IPv4 ACL は 1 つの ACE を消費
 +
** IPv6 ACL は 2 つの ACE を消費
 +
** もしクラスマップが DSCP でマッチすると、3 つの ACE をインストールされる : 1 つの IPv4 と 2 つの IPv6
 +
* UADP 3.0
 +
** IPv4 ACL は 1 つの ACE を消費
 +
** IPv6 ACL は 1 つの ACE を消費
 +
** もしクラスマップが DSCP でマッチすると、2 つの ACE をインストールされる : 1 つの IPv4 と 1 つの IPv6
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=== 付録 C : パケット フォーマットの詳細 ===
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以下の画像 51. は、異なるキャプチャでパケットの中でマーカーを見つけて、どのように読み取るか示したものです。
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[[ファイル:C90-QoS-51.png|なし|フレーム|画像 51. レイヤ 2 CoS (ユーザー プライオリティ) パケット フォーマット]]
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[[ファイル:C90-QoS-52.png|なし|フレーム|画像 52. MPLS EXP パケットフォーマット]]
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タイプ・オブ・サービス (ToS) は 1 バイトのフィールドで、IPv4 ヘッダに存在します。IPv6 ヘッダでも似たフィールドがあり、トラフィック クラスと呼ばれます。
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[[ファイル:C90-QoS-53.png|なし|フレーム|画像 53. レイヤ 3 IP プレシデンス (ToS) と DSCP パケット フォーマット]]
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ToS フィールドは 8 つのビットからなっており、最初の 3 ビットが IP パケットの優先度を示しています。これらの最初の 3 ビットは、IP プレシデンス ビットとして参照され、0 から 7 の値 (0 は低優先度で、7 が高優先度) を持ちます。Cisco IOS XE では IP プレシデンスによる設定を長年サポートしています。画像 54. は ToS ヘッダの IP プレシデンス ビットを説明しています。
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[[ファイル:C90-QoS-54.png|なし|フレーム|画像 54. IP プレシデンスとして ToS バイトを読む方法]]
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ToS バイトは DSCP やトラフィック クラス フォーマットとして読むことができ、6 ビットを持っています。
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[[ファイル:C90-QoS-55.png|なし|フレーム|画像 55. DSCP と IP プレシデンス間の比較]]
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* ToS バイトの 3 つの最上位ビット (MSB) は、DSCP と互換性を持ち、IP プレシデンスとして、解釈されます
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* ToS バイトの 2 つの最下位ビット (LSB) は、明示的輻輳通知 (エクスプリシット・コンジェスチョン・ノーティフィケーション = ECN) です  ECN ビットは、Cisco Catalyst 9000 スイッチ ファミリでは使用されません
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=== エキスパートの推奨するドキュメント ===
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* [https://www.cisco.com/c/en/us/products/collateral/switches/catalyst-9000/nb-09-cat-9k-aag-cte-en.html Cisco Catalyst 9000 At-a-Glance]
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* [https://www.cisco.com/c/en/us/products/collateral/ios-nx-os-software/ios-xe/nb-06-cisco-ios-xe-faq-en.html Open IOS XE FAQ]
 +
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[[Category:アーキテクチャ]]

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