「Catalyst 9000 トラブルシューティング」の版間の差分

提供: hkatou_Lab
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=== Q1 : IP Precedense 5 (ToS=5) のパケットを受信しても、output policy に指定した Priority Queue に入りません ===
 
=== Q1 : IP Precedense 5 (ToS=5) のパケットを受信しても、output policy に指定した Priority Queue に入りません ===
UADP ASIC の 3650 / 3850 / 9000 では、DSCP ベースの出力キュー割当になった <ref>[https://www.ciscolive.com/c/dam/r/ciscolive/emea/docs/2019/pdf/BRKCRS-2501.pdf 2P6Q3T with WTD or WRED: Wired Port Egress Queuing Model P.65]</ref> ため、Priority Queue は Expedited Forwarding (EF) の DSCP=46 に割り当てられています。これは ToS=5 の DSCP=40 と異なるため、Priority Queue には入りません。
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UADP ASIC の 3650 / 3850 / 9000 では、'''DSCP ベースの出力キュー割当になった''' <ref>[https://www.ciscolive.com/c/dam/r/ciscolive/emea/docs/2019/pdf/BRKCRS-2501.pdf 2P6Q3T with WTD or WRED: Wired Port Egress Queuing Model P.65]</ref> ため、Priority Queue は Expedited Forwarding (EF) の DSCP=46 に割り当てられています。これは '''ToS=5 の DSCP=40 と異なる'''ため、Priority Queue には入りません。
  
  
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といった方法があります。QoS の NW 全体設計で、IP Precense or DSCP のどちらかに統一する方針を決めるのが良いでしょう。
 
といった方法があります。QoS の NW 全体設計で、IP Precense or DSCP のどちらかに統一する方針を決めるのが良いでしょう。
  
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ACL をメンテナンスしなくて良くなるため、状況が許せば Vlan で marking するのが楽です。
  
  
Sasquatch ASIC 系で旧世代の 2960 / 3560 / 3750 では、IP Precedense ベースの出力キュー割当のため、ToS=5 = DSCP=40 が Critical のクラスと定義 <ref>[https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/switches/lan/catalyst3750x_3560x/software/release/12-2_53_se/configuration/guide/3750xscg/swqos.html#53646 Table 39-11 Default DSCP Output Queue Threshold Map]</ref> されています。このため DSCP=40-47 が Priority Queue の Queue1 に入ります。
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Sasquatch ASIC 系で旧世代の 2960 / 3560(-X) / 3750(-X) では、IP Precedense ベースの出力キュー割当のため、ToS=5 = DSCP=40 が Critical のクラスと定義 <ref>[https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/switches/lan/catalyst3750x_3560x/software/release/12-2_53_se/configuration/guide/3750xscg/swqos.html#53646 Table 39-11 Default DSCP Output Queue Threshold Map]</ref> されています。このため DSCP=40-47 が Priority Queue の Queue1 に入ります。
  
 
リプレースの際は、動作が異なることを理解した上でコンフィグを変更する必要があります。<syntaxhighlight lang="diff">
 
リプレースの際は、動作が異なることを理解した上でコンフィグを変更する必要があります。<syntaxhighlight lang="diff">

2023年3月5日 (日) 10:44時点における版

Catalyst 9200 , 9300

ポート LED が消灯しているときは、リンクアップしていない、または管理シャットダウンしていることを示しています。


ポート LED がアンバー (オレンジ) に点灯したときは、フレーム・パケットが転送できないことを示しています。

Layer 2 プロトコルで転送が停止されている

  • Access ポートに設定した Vlan が作成されていない
  • STP で BLK
  • FlexLink で Backup


ポート LED がグリーンとアンバー (オレンジ) で点滅しているときは、エラーが発生していることを示しています。

  • 入力時に FCS などのエラーを検出してドロップ


ポート LED がグリーンと消灯で点滅しているときは、フレーム・パケットを転送していることを示しています。

ポート LED リファレンス

Catalyst 9200 : Table 6. Meaning of Switch LED Colors in Different Modes

Catalyst 9300 : Table 12. Meaning of Switch LED Colors in Different Modes


Catalyst 9400 , 9500 , 9600

ポート LED が消灯しているときは、有効化しているがリンクアップしていないことを示しています。

  • Catalyst 9200 , 9300 とは異なり、管理シャットダウン時は消灯しません


ポート LED がアンバー (オレンジ) に点灯したときは、フレーム・パケットが転送できないことを示しています。

  1. 管理シャットダウンしている
    • 9400 , 9500 , 9600 はディストリビューション層・コア層で使用され、不要なポートはシャットダウンするのが一般的であるため、管理シャットダウンが明示的にわかるようになっています
  2. Layer 2 プロトコルで転送が停止されている
    • Access ポートに設定した Vlan が作成されていない
    • STP で BLK
    • FlexLink で Backup


ポート LED がグリーンとアンバー (オレンジ) で点滅しているときは、エラーが発生していることを示しています。

  • 入力時に FCS などのエラーを検出してドロップ


ポート LED リファレンス

Catalyst 9500 : Table 4. Meaning of Switch LED Colors in Different Modes

Caktalyst 9500 High Performance : Table 5. Meaning of Switch LED Colors for Port Status LED


コマンドリスト

作業日、全作業の事前・事後ログに取りたいコマンドのリスト。

作業中はコンフィグを変更する機能に絞って、変更前と変更後に取得して、Winmerge で比較し差分が妥当であるか確認します。

Catalyst 9000 シリーズ 事前・事後ログリスト
大区分 小区分 コマンド 備考
ターミナル設定 terminal exec prompt timestamp

terminal length 0

サポート show tech-support password
Common System Management show version

show running-config

show log

show ntp associations

IOS-XE Version , ライセンス

動作中のコンフィグ

メモリに保存された log

NTP 同期

Layer1 Hardware show switch

show switch detail

スイッチ優先度など
Interface show interfaces status

show interfaces counters

show interfaces counters error

show interfaces transceiver

show controllers utilization

show sdm prefer

インターフェースの状態

カウンタ

エラーカウンタ

トランシーバの DOM 取得

ポートの使用率

SDM テンプレート

Layer2 Common show vlan

show mac address-table

show mac address-table  aging-time

show interfaces trunk

show udld

show udld neighbors

Vlan

MAC アドレステーブル

↑ エージングタイム

トランクの状態

UDLD

UDLD 対向側

Security show storm-control ストームコントロール
Redundancy Protocol show etherchannel summary

show etherchannel load-balance

show spanning-tree

show rep topology

イーサチャネル

負荷分散メソッド

スパニングツリー

REP トポロジ

Layer3 Common show ip arp

show ip interface

show ip interface brief

show ipv6 neighbors

ARP エントリ

IP インターフェース

↑ 一覧

IPv6 ネイバー

Security show ip access-lists

show ipv6 access-list

IPv4 アクセスリスト

IPv6 アクセスリスト

Addressing Services - FHRP show standby brief

show vrrp brief

HSRP 一覧

VRRP 一覧

Routing show ip route

show ip ospf neighbor

show ip bgp summary

show ip bgp neighbor x.x.x.x advertised-routes

show ip bgp neighbor x.x.x.x received-routes

show ipv6 route

show ipv6 ospf neighbor

show ipv6 dhcp interface

show ipv6 interface

show ipv6 interface brief

show bgp all summary

IPv4 ルート

OSPF ネイバー

BGP ピア一覧

特定ピアの BGP 広報ルート

特定ピアの BGP 受信ルート

IPv4 ルート

IPv6 OSPF ネイバー

IPv6 DHCP インターフェース

IPv6 インターフェース

↑ 一覧

すべての BGP アドレスファミリの一覧

Catalyst 9500 StackWise Virtual show stackwise-virtual

show stackwise-virtual link

show stackwise-virtual dual-active-detection

StackWise Virtual (SWV)

SVLink

SWV DAD

Catalyst 9000 QoS show policy-map interface

show platform hardware fed active qos ipf interface <interface-id> dscp-map

show platform hardware fed [switch] [active] qos queue config interface <interface-id>

show platform hardware fed [switch] [active] qos queue stats interface <interface-id>

ポリシーマップ インタフェース

QoS の DSCP マップ

QoS のポート設定

QoS のポート統計情報

EVPN show l2vpn evpn peers vxlan

show nve peers

show l2vpn evpn mac

show bgp l2vpn evpn all

show platform software fed switch active matm macTable vlan

EVPN L2VPN のピア

NVE インタフェースのピア

EVPN L2VPN の MAC アドレス

BGP L2VPN アドレスファミリ

TCAM の MAC アドレステーブル


QoS

Q1 : IP Precedense 5 (ToS=5) のパケットを受信しても、output policy に指定した Priority Queue に入りません

UADP ASIC の 3650 / 3850 / 9000 では、DSCP ベースの出力キュー割当になった [1] ため、Priority Queue は Expedited Forwarding (EF) の DSCP=46 に割り当てられています。これは ToS=5 の DSCP=40 と異なるため、Priority Queue には入りません。


VoIP パケットを生成する機器が IP Precense ベースで実装されている場合、ToS を trust しても Priority Queue に入りません。対応方法としては、

  1. Input Marking の class で vlan や IP ACL で match させ、DSCP=46 に Remarking する
  2. Output Class で ToS=5 を match させ、Output Queueing でそのクラスを Priority Queue にする

といった方法があります。QoS の NW 全体設計で、IP Precense or DSCP のどちらかに統一する方針を決めるのが良いでしょう。

ACL をメンテナンスしなくて良くなるため、状況が許せば Vlan で marking するのが楽です。



Sasquatch ASIC 系で旧世代の 2960 / 3560(-X) / 3750(-X) では、IP Precedense ベースの出力キュー割当のため、ToS=5 = DSCP=40 が Critical のクラスと定義 [2] されています。このため DSCP=40-47 が Priority Queue の Queue1 に入ります。

リプレースの際は、動作が異なることを理解した上でコンフィグを変更する必要があります。

show mls qos maps dscp-output-q

   Dscp-outputq-threshold map:
     d1 :d2    0     1     2     3     4     5     6     7     8     9
     ------------------------------------------------------------
      0 :    02-01 02-01 02-01 02-01 02-01 02-01 02-01 02-01 02-01 02-01
      1 :    02-01 02-01 02-01 02-01 02-01 02-01 03-01 03-01 03-01 03-01
      2 :    03-01 03-01 03-01 03-01 03-01 03-01 03-01 03-01 03-01 03-01
      3 :    03-01 03-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01
      4 :    01-01 01-01 01-01 01-01 01-01 01-01 01-01 01-01 04-01 04-01
      5 :    04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01 04-01
      6 :    04-01 04-01 04-01 04-01

d1 が 10 桁目、d2 が 1 桁目で、DSCP=40 なら d1 が 4 の行、d2 が 0 の列を確認し、

交点の 01-01 が、Queue 1 Threshold 1 を意味します。

パケットドロップ対策

パケットバッファの割当を増加

出力ドロップを解決するためのバッファの変更 により、共有プールのバッファ割当を 100 -> 1200 に増加させます。

マイクロバーストに対して有効な対策ですが、すべてのポートに発生するバーストに対しては役立ちません。

Platform / Version により、1200 が最大値のものと 4800 が最大値のものがあります。


Catalyst 3850 の場合、CSCuz86625 の実装変更前後で挙動が異なります。

  • 3.6.6 以前 : policy-map を適用したポートに softmax コマンドが有効になる
  • 3.6.6 以降 : policy-map を適用していないポートにも softmax コマンドが有効になる

パケットドロップ対策のリファレンス

Cisco.com : Command Reference qos queue-softmax-multiplier

Cisco.com : Catalyst 3850: Troubleshooting Output drops

hkatou Lab : キュー バッファ


FAQ

Q1 : Catalyst 3850 / 9000 で QoS の統計情報を取得すると、カウンターの増え方が大きいのはなぜですか ?

A1 : バイト数をカウントするため、値が大きいからです。他のプラットフォームではパケット数のため、比較すると大きい値がカウントされます。

MTU 1500 の場合 1 フレームは最大 1522 バイトとなるため、フレーム数カウントと比較して 1 - 1500 倍の比率で大きくなります。

他のプラットフォームと動作を合わせたい場合など、IOS-XE 16.6.3- 以降では CSCve59640 の変更により、qos queue-stats-frame-count コマンドでフレーム単位のカウンターに変更できます。 [3]


その他リファレンス

英語版 : Understand Hardware Resources on Catalyst 9000 Switches

日本語版 : Catalyst 9000スイッチのハードウェアリソースについて

  • Catalyst9000 で FIB の限界を超えたときに、確認するべきコマンドやエラーメッセージが記載されたページ


英語版 : Implement SSDP Best Practices on Catalyst 9000 Series Switches

日本語版 : Catalyst 9000シリーズスイッチでのSSDPベストプラクティスの実装

  • SSDP マルチキャストによる NW 機器への影響と対策について


英語版 : Troubleshoot Output Drops on Catalyst 9000 Switches

日本語版 : Catalyst 9000スイッチでの出力廃棄のトラブルシューティング

  • QoS のキューごとに入ったバイト数 or フレーム数や、ドロップ数を確認する方法など


英語版 : Verify and Troubleshoot Stackwise on Catalyst 9200/9300

日本語版 : Catalyst 9200/9300でのStackwiseの確認とトラブルシューティング


英語版 : Validate Layer 2 Hardware on Catalyst 9000 Series Switches

日本語版 : Catalyst 9000シリーズスイッチでのレイヤ2ハードウェアの検証

  • Layer2 TCAM エントリの確認方法


Catalyst 3650 / Catalyst 3850 / Catalyst 9000 :「qos queue-stats-frame-count」コマンドについて

引用