2024-01-17-19 JANOG53 参加レポート
今回は個人的に見たいセッションが多かったです。キーワードをこのレポートにメモったので、今後見直して反芻していきたい。
Day1
15:30 海外で日本のやり方が通用しないの、なぁぜなぁぜ? 東南アジアでのインターネットインフラを構築の実例から、グローバルでのオペレータ交流を考える
BBIX 立松さん : 資料
ケーブリングやばいよ
- 海外はケーブリングがとてもやばいぞ !
品質とスピード
- 日本の品質は海外案件に適用できない
- 海外はスピード優先で、企画・設計・構築をやる必要がある
- レンタカーはドライバー付きじゃないと、クルマを貸し出してくれない
- 「今日は走れるクルマが少ないんだよー」「!?」
- 車両ナンバーの末尾で、走行できる日が規制されている
- 主に渋滞・混雑対策
- DC に持ち込みは Quarantine (検疫) で 1 日必要
- immunity test のために必要 : 電源に影響を及ぼさないかのチェックのため
- 今回については、何もやってない (DC で 1 日放置)
税関で製品が止められる件
輸出の該非判定が必要、通関のために書類がいろいろ求められる。
- Cisco はオンラインで書類を発行できたりする
- 中古機材は持ち込むのが難しい
- 新品はメーカーから書類を入手したり、ノウハウがあったり
- 香港も厳しいらしい
NTT-Data 冨樫さん : 資料
ジャカルタで JKT-IX を立ち上げた話。
- IX 単体で儲けるのではなく、コンテンツプロバイダなどのターゲット顧客を DC に誘致して、DC を拡販する
- NTT の名前は出さず、ジャカルタ ローカルへ貢献するように
相互接続交渉が難航した話
日本人が交渉して 2-3 ヶ月接続できなかったのが、交渉先のボードメンバーと友達を交渉担当者にアサインすると 1 週間で妥結された。。
プライジング
2017 当時の IX マーケットだと、IX は $0
- 費用を取ろうとすると、めっちゃ怒られた
シェア No.1 を取ってからは、無料 (1G) と高速プラン (10G-) に分けて課金できるようになった。
インドネシアの要求品質
同時複数ダウン時以外はトラブルシュートしない、通知しない。
利用者から要求がない品質は追わない。
他のメンバーからの問い合わせや、全体に影響する問題は妥協せず対応する。
特殊局が手掛けるIN地域研究室の紹介「インターネット業界の未来を創る技術者育成」
- IN 地域 = インチキ
NTT 特殊局
光ファイバー・クロージャー・果物 (!?)
- ファイバと一緒にバナナが干してある
技術研究に適したコンピュータ・ネットワークを提供する。
パワーワード集
苦行センター
うちのメールサーバーにはアメリカ人が住んでいた
- 最近は中国かロシアからのホームステイ (!?) が多い
IN 地域 NW (インチキ NW)
イン地域研究室
- サーバ・ネットワークを自由に触れる環境
霞が関 曼荼羅
- PPT にすべての要素を詰め込んで書き込まれたもの
- 参考 : 環境省の作ったパワポ資料がある意味すごいと話題
僕がいなくなったらふすまが開くようになったらしい
- ISP・検証用の機材を木造の 2 階自室に置いていたら、家が傾いていた
- 実家 -> 東京に引っ越したら解決
「NTT 東日本に就職すれば、ダークファイバーを使い放題だよね」
- そう思っていた時代も僕にもありました
つぶらなひとみで「光ファイバ利用申請書類」を社内へ提出すると・・・
- NTT 法の関係で自由に使えるわけじゃないと思われる
ブートストラップ問題
(登さん) ネットワークの初学者が学ぶための、書籍が古くなっていて入りづらくなってきていて、口伝になってしまっている
質疑応答 : NTT は金持ちだから成長しなかった ?
お金が自由に使えることで、不利になることがある。お金に制限があることで、知恵と工夫をする余地が生まれる。
- Google : インチキサーバで起業
- Amazon : Sun の SPARC サーバが高すぎたので、x86 サーバでクラウドを作った
もの好き同士の連携が少なくなっているのでは。
Day2
400G時代の相互接続 〜100G-LR1って検討されてますか?〜
100G-LR4 が高いので、100G-LR1 ってどう ? というセッション。
規格 | 変調方式 | 波長数 | FEC | ブレークアウト | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|---|
100G-LR4 | NRZ : 2 値 | 25G x 4 波長 | 任意 | ? | 使用実績が長い | コストが高い |
100G-LR1 | PAM4 : 4 値 | 100G x 1 波長 | 必須 | 400G-PLR4 から可能 | IC 部の微細化でコスト低減されそう
波長数が少ないため、HW コンポーネント数が低減 -> MTBF に好影響 |
リンクアップが遅い |
安いのと採用例が増えているため、みんなで利用を推進したい。
データセンターネットワークでの輻輳対策どうしてる?
In-cast congestion
- any src to 1 dest
- 受信側で tail drop
- 対処が難しい
- 今回の発表のメイン対象
Fabric congestion
- 不均衡なトラフィック分散
Out-cast congetion
Lossy
- TCP 再送でカバー
Lossless
- RDMA などでロスレスにする
対処策
- 専用 NW
- 専用構成が乱立
- 輻輳対策 HW
- コストが妥当なのか ?
- バッファチューニング
- これは実施していない
輻輳制御の手法
- Deep Buffer
- ECN , PFC
- DCTC
- H-TCP , CUBIC , BBR
Deep Buffer
GB 単位の HBM 大容量メモリでバースト トラフィックを吸収する
HoLB (Head of Line Blocking) 対策の VoQ
VoQ アーキテクチャと Buffer Broat (バッファによる遅延)
Loss-Based TCP 輻輳制御アルゴリズムだとバッファを埋め尽くすまで止まらない
- AQM で先行してドロップさせる
ECN (Explicit Congestion Notification)
- 受信側がフィードバックのために、送信側に Notification して、送信を抑制する
PFC (Priority-based Flow Control)
- Traffic Class のキューから PAUSE フレームを送信する
Hadoop
In-cast Congestion が起きやすい Hadoop を検証ターゲットとした。
TeraSort
- Hadoop に標準搭載されたベンチマーク
予想に反した検証結果
- Deep Buffer のジョブ完了時間が、Shallow (短い) Buffer よりも長い (なんでや !)
- Deep Buffer はドロップが抑えられているが、処理時間が長かった
- 負荷が高くても Shallow (短い) Buffer のほうが、ジョブ完了時間が短かった
- PFC のみ有効だと、InDiscards が増加し、OutDiscards は発生しない
予想通りだった検証結果
- ECN を設定すると Drop がほぼ抑えられた
- Deep Buffer よりも速く完了した
今後のアクション
- Deep Buffer は必要ないかも
Day3
自作k6 Extension利用した NFVへの負荷計測手法の紹介
MVNO は HSS , PGW-C , PGW-U を BB Sakura で自作している。
「パフォーマンス測定ツールがなければ、作ればいいじゃない」
github に公開中。
知っておくと小回りがきく Ansibleの使い方
ansible-playbook 実行時に、-e (--extra-vars) +"@" を使う
- 外部ファイルを指定して実行すると良い感じ
YAML 記述に中括弧 "{}" とカンマ "," を使う
- Juniper の display set コンフィグみたいになるので見やすい
OpenStack on L3 Clos-NW First-Hop Redundancy by Open vSwitch & BGP in Yahoo! JAPAN network.
次世代OpenStack NFV基盤の検証
IPv6 シングル スタック環境で構築する OpenStack 基盤のナレッジ。
IPv6 ND RA と DHCPv6 ってややこしいよね・・・
BIGLOBE AS2518をまるごと仮想環境へ”コピー”してみた
All 実機では難しい商用 NW を仮想環境で再現して、「NW 全体の動作を」「実際にやって確認」したい。
BIGLOBE
DC 10 拠点、L2SW / Router で 50 台以上、3.2Tbps 以上、ピア数 220 以上。
月 20 件程度の作業に対して、障害を防ぐためのレビュー多すぎ問題がある。
- ベテラン -> マネージャー (-> 部長)
構成図を最新に保つことが難しい。
仮想環境の作成
商用環境のコンフィグを吸い出して、コンテナ NOS を生成する仕組みを構築し、テストベッドを使えるようにする。
- iperf ノードや監視システムも同時にデプロイされる
- iperf は商用のフローデータから、プレフィックスごとの流量を再現させた
仮想環境で確認できたこと
show コマンドやトラフィック断の有無などは、仮想環境で確認でき、レビュー者の負担が減らせた
仮想環境できなかったこと
Juniper の cPRD に統一したが、Cisco ルータの挙動は確認できていない。
PNI は適用可能だが、IX / Transit ピアは非定型で対応できていない。
外部 AS も再現したいが、コンフィグが無い。
- 再現に必要な情報を別途与える
コンフィグのデフォルメと網羅性の両立が難しい。
- 商用コンフィグはデカすぎて扱うのがつらい