イーサネット トランシーバ TIPS
100G
100G-SR4
FEC
- FEC が使用可能で、多くのプラットフォームでは自動認識・有効化されます
- 一般的な FEC モードは、Clause (cl91) RS-FEC
- FEC を使用しない場合、使用できるファイバーのグレードや長さが制限されます
100G-LR4
FEC
- FEC は多くのプラットフォームで自動的に無効化されます
- 規格上 FEC は無効とのこと
100G-ER4
FEC
- FEC を使用しない場合、到達距離が 40km -> 30km へ減少します
100G-ERL
ER と比べて 40km -> 25km に到達距離が減少しますが、コストがかなり安くなった規格です。
100G BiDi
BiDi は Bi-Directional の略で、1 双方向伝送を行う規格となり、既存の 2 芯ファイバを活かす規格です。
- 40G の場合 20 G NRZ 双方向 2 波長 1 芯伝送 x 2 芯で 40G 双方向を実現
- 100G の場合 50 G PAM-4 双方向 2 波長 1 芯伝送 x 2 芯で 100 G 双方向を実現
Cisco の場合、QSFP-100G-SR4-S と QSFP-40/100-SRBD が同価格です。
MMF は LC 2 芯のほうが MPO-12 の 3 分の 1 程度であるため、トータル コストが安くすみます。
他メーカーの機器同士を接続する場合、波長が異なるために使用できない or 別メーカーにそもそも存在しない模様。(調査中)
100G-CWDM4 / CWDM4-OCP
100 G を 2 芯 SMF で接続する規格です。25 G x 4 波長 = 100 G で伝送します。
4 芯 x TxRx で 8 芯を使用するために MPO-12 ケーブルを採用した SR4 と異なり、芯数が少ないメリットがあります。
100 G トランシーバとしては他の規格と比べ出荷数量が多い[1]ですが、これは以下の背景があります。
- 波長多重するコストが下がってきた
- MPO-12 / -24 などの多芯ファイバは、大量のファイバを購入する DC 事業者にとって採用しづらい
メーカー純正のトランシーバは高価なことから、サードパーティ トランシーバでこの規格を採用する事業者が多いようです。
-OCP がつくと、更に低コストで製造できるように動作温度範囲やロスバジェットなどが抑えられて [2] います。
FEC (Forward Error Correction)
イーサネットで受信したフレームのエラーを検出し、受信側で訂正できる機能です。
プラットフォームによっては、FEC で訂正できた・できなかったフレーム数を取得できます。
100G 世代では規格の種類によってはエラーが起きることが前提になっているため、FEC でエラー訂正を行う必要があります。
- エラーなしを前提とすると、トランシーバの光源・受光部品が高価になってしまうため
FEC が必要な規格で FEC を使用しない場合、高頻度でエラーフレームを検出[3]してしまいます。
FEC はトランシーバで実装されます。
似た仕組みとして、10G Base-T の LDPC があります。
サードパーティ トランシーバ
メーカー名をトランシーバの EEPROM に書き込むことで、メーカー純正トランシーバとして認識させて使用されています。
他にも OS で純正品以外を使えるようにするコマンドを入れて、使用するケースがあります。
メーカーよりもかなり安価ですが、以下のデメリットが存在します。
- サポートが受けられない
- メーカーは Finsar などトランシーバメーカーの製品を純正として採用する際に、検証を実施しています
- SerDes や光関連のパラメータがチューニングされない [4]
ブレークアウト接続
40G を 4x10G や、100G を 4x25G に分けて使用することができる技術です。
今後スイッチが高速化されるにつれて、導入が必須となっていくと考えられます。
- 例) コア スイッチを 400G 対応にリプレースしたいが、ディストリビューション スイッチを 4x100G で収容したい
- 100G トランシーバでそのまま収容するとポート単価を損するため、4x100G で高速 or 台数を多く収容したい
OS で対応が必要なためスイッチはかなり対応していますが、サーバやアプライアンス系では非サポートの場合が多いため、要注意です。
- 例) Mellanox の 40G NIC はブレークアウトに対応しない
以下のような構成があります。
- Twinax (DAC) でブレークアウト
- 例) 100G : Cisco QSFP-4SFP25G-CUxM -> 4x25G
- トランシーバ MPO-12 -> MPO-12 背面 ブレークアウト パッチパネル 前面 -> Duplex LC
- 例) 40G : Cisco QSFP-40G-SR4[5] MPO-12 -> MPO-12 FHU-96FLC12MOM4 LC 4x10G
ハマりポイント
- QSFP-40G-SR4-S はブレークアウト非対応 [6]
- LR の場合は一般的に 4 波長の WDM で Duplex (2 芯) LC となっているため、ブレークアウトには専用型番のトランシーバが必要になる点に注意です。
- ブレークアウト OK : QSFP-4x10G-LR-S - 同波長 x 2 芯 x 4 セット - MPO-12
- 10G-LR が 4 セットになっているが、同波長のため MPO-12 で芯を分ける必要がある
- ブレークアウト NG : QSFP-40G-LR4 - 4 波異波長 x Duplex (2 芯) LC
- 10G が 4 セットは同じだが、1 芯に 4 波長を流すため、2 芯で済む
- ブレークアウト OK : QSFP-4x10G-LR-S - 同波長 x 2 芯 x 4 セット - MPO-12
- OS によって、ブレークアウト接続が制限される場合がある
- 例) Catalyst 9500 は StackWise Virtual の SVL ポートにブレークアウト接続を使用できない
- OS が起動していないときにリンクアップする必要があるため
- 例) Catalyst 9500 は StackWise Virtual の SVL ポートにブレークアウト接続を使用できない
- 機種によって、ブレークアウト非対応ポートが存在する
- 例) C9500-32C は 4 の倍数ポートをブレークアウトに使用できない
- オートネゴシエーションは FEC もネゴシエートする
参考
リファレンス
Cisco 100Gbps QSFP100 SR1.2 BiDi Pluggable Transceiver At-a-Glance
引用
- ↑ 光トランシーバー関連 の技術仕様 出荷Unit数ではCWDM4が主役 6.5 Million @ JANOG43 (2019/01/25)
- ↑ 更にコストダウンしたCWDM4-OCP 要求スペックを500mに下げ動作保証温度も狭くすることによりより安価なレーザーを採用しパッケージのコストダウンを狙ったものです。
- ↑ 最大100Gbpsで到達距離100mの「100GBASE-SR4」と40Gbpsで40kmの「40GBASE-ER4」 100GBASE-SR4は、FECがない場合のBERは5×10^-5と、恐ろしく高い。これは要するに5Mbitごとに1bitのエラーが入るというレベルだ。100Gbpsでの通信なので、50μsecごとに1bitエラーが出る、という方が分かりやすいかもしれない。
- ↑ IX相互接続実証実験を通じて見えてきた400G導入で「変わるこ と」「変わらないこと」 DSP/CDRに保存されている SerDesのチューニング値
- ↑ The 4x10G connectivity is achieved using an external 12-fiber parallel to 2-fiber duplex breakout cable, which connects the 40GBASE-SR4 module to four 10GBASE-SR optical interfaces.
- ↑ Because the QSFP-40G-SR4-S does not support 4x10G breakout connectivity,